2019.7.5

(過去記事)知っておきたい税金の話26 年末調整書類へのマイナンバーの記載は多くの場合不要に

※この記事は、平成28年に「北近畿経済新聞」に掲載されたものです。現在の状況とは異なりますので、ご留意ください。

 

今年1月よりマイナンバー制度の運用が開始し、税務関係書類へのマイナンバーの記載も順次始まっています。今回は年末調整書類へのマイナンバーの記載について紹介いたします。

 

<扶養控除等申告書>
扶養控除等申告書については、1年前(平成28年分扶養控除等申告書)はマイナンバーの記載が求められない場合もありましたが、今回(平成29年分扶養控除等申告書)からは、原則として記載が求められます。
しかし、給与支払者のマイナンバーに係る安全管理措置への対応の負担軽減を図るために、マイナンバーの記載を省略することが認められる場合があります。
まず、通知カードの提示を受けるなどして、すでに従業員のマイナンバーを取得している場合、給与支払者と従業員との間での合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に「マイナンバーについては給与支払者に提供済みのマイナンバーと相違ない」旨を記載した上で、給与支払者において、既に提供を受けている従業員等のマイナンバーを確認し、確認した旨を扶養控除等申告書に表示することにより、提出時に従業員等のマイナンバーを記載しなくてもよいとされています。
次に、過去にマイナンバーが記載された扶養控除申告書等を取得し、給与支払者がそれを基に一定の帳簿(*)を作成して備えている場合には、その帳簿に記載されている方のマイナンバーの記載は要しないものとされています。なお、前者の方法により提出された「(既に提供を受けている)マイナンバーと紐付け管理された扶養控除等申告書」も、この帳簿作成の基となる扶養控除等申告書として取り扱うことができます。

(*)扶養控除等申告書へのマイナンバーの記載を不要とするために備える帳簿には、次の事項を記載する必要があります。
1 扶養控除等申告書に記載されるべき提出者本人、控除対象配偶者、控除対象扶養親族等の氏名、住所及びマイナンバー
2 帳簿の作成に当たり提出を受けた申告書の名称
3 2の申告書の提出年月

 

<その他の申告書>
「給与所得者の保険料控除申告書」、「給与所得者の配偶者特別控除申告書」及び「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(住宅ローン控除申告書)については、マイナンバーの記載は不要になりました。申告書の発行時期によりマイナンバーの記載欄が残っている場合がありますが、記載してしまわないよう注意が必要です。