2019.7.12

(過去記事)知っておきたい税金の話30 消費税のあらまし① 消費税の基本的な仕組み

※この記事は、平成30年に「北近畿経済新聞」に掲載されたものです。現在の状況とは異なりますので、ご留意ください。

 

消費税は、1989年(平成元年)から制度が開始し、現在においては国民生活に定着している感があります。この消費税は、昨今の一連の消費税法の改正により、2019年(平成31年10月1日)から10%に引き上げられますが、一部(注1)の税率は現行税率の8%に据え置かれる複数税率となります。この改正は、特に事業者にとっては過去に経験したことない大きな影響を与えるものであると考えます。
そこで、今回より消費税のあらましとして、基本的な仕組み、計算方法、軽減税率、総額表示の義務付けなどについて紹介いたします。

 

消費税の基本的な仕組み
(1)どんな税
消費税は、消費一般に広く公平に課税する間接税です。ほぼ全ての国内における商品の販売、サービスの提供等を課税対象とし、取引の段階ごとに8%の税率で課税されます。

(2)負担者
消費税は、事業者に負担を求めるものではありません。税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費し又はサービスの提供を受ける消費者が負担することとなります。そして、最終的に消費税を申告、納付するのが事業者となります。

(3)課税の仕組み
生産、流通の各段階で二重、三重に税が課されることのないよう、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除し、税が累積しない仕組みとなっています。

(4)納税事務の負担軽減措置等
事業者免税点制度……基準期間(注2)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、免税事業者となります。(注3)
簡易課税制度……基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、課税売上高から納付する消費税額を計算する簡易課税制度が選択できます。

 

注1:飲食料品(酒類を除く)及び週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)
注2:基準期間とは、原則としてその事業年度の前々事業年度をいいます。
注3:基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(前事業年度開始の日以後6か月の期間)の課税売上高が1,000万円を超えた場合、消費税の課税事業者となります。