2019.7.16

(過去記事)知っておきたい税金の話31 消費税のあらまし② 消費税の計算方法

※この記事は、平成30年に「北近畿経済新聞」に掲載されたものです。現在の状況とは異なりますので、ご留意ください。

 

消費税のあらましとして、今回は消費税の納税額の計算方法、またその納税額と負担者の関係について、簡単な例で説明します。

 

(例)小売業A社の1年間の売上高が2,160万円(税込み)と仕入高が1,620万円(税込み)であった場合の、A社の納税額はいくらになるでしょうか。
なお、売上高及び仕入高はすべて消費税が課税される取引とします。

小売店Aは160万円の消費税を預かり、120万円の消費税を支払ってるので、160万円から120万円を差引いた40万円だけ納税することになります。なお実際は下記のように、国税の消費税と地方消費税を分けて計算します。

 

【納税額の計算方法】
① 国税の消費税(6.3%)の計算
まず、国税の消費税6.3%分を計算します。

② 地方消費税(1.7%)の計算

次に、国税の消費税額に17/63を掛けて地方消費税を計算します。

国税の消費税額  31.5万円 × 17/63 = 8.5万円

③ 納税額の計算
最後に、国税の消費税と地方消費税を足して、納税額を計算します。
国税の消費税 31.5万円  +  地方消費税 8.5万円 = 40万円

 

【納税者と負担者の関係】
小売店Aが支払った120万円の消費税は、仕入先にとっては預かった消費税ということになり、仕入先が納税します。納税された額の合計は、仕入先120万円+小売店A 40万円=160万円となり、消費者が負担した160万円を事業者(仕入先と小売店A)が納税します。よって、消費税の納税者=事業者、消費税の負担者=消費者であることがわかります。